これ以上KAT-TUNというグループに踏み込むのが、あまりにも怖かった
その歌は、確かな情熱。
その姿は、高潔な意思。
その心は、折れない三本の矢。
先日、かねてより観ようと心に決めていた『KAT-TUN LIVE 2018 UNION』ライブDVDを鑑賞してきた。
諸事情あり独りで観るのが果てしなく怖かったため、6→5人時代の彼らを見ていたという同じ声優オタクの友人に付き添い(要介護)をお願いして、一緒に観てもらうこととなった。
カラオケルームを借り、モニター+αの3画面、しかも大画面で顔の良い3人が惜しみなくパフォーマンスを繰り広げるという、正気でいられるわけがない状況下での鑑賞だった。
諸事情で一歩を踏み出せずにいたが、この度なんとか付き添いの友人とともに半狂乱で泣きじゃくりながら、無事鑑賞し終えることができた。
私が一歩を踏み出せずにいた理由。
諸事情というのは至極簡単な話だ。
これ以上KAT-TUNというグループに踏み込むのが、あまりにも怖かった。
私がKAT-TUNという存在を初めてきちんと認識したのは、まるで関係のないようなところから話は始まる。
遡ること2019年6月。私が最も好きな作品の一つ、『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダム』が公開された。
嬉しいことに、多くのジャニーズファンの方が当該作品を見てくださり、様々な感想を綴ってくださっているのをTwitterで見かけた。
そんな中見つけたツイートのいくつかに、
「QUARTET NIGHTファンの人って、KAT-TUN好きそう」
というものがあった。
(QUARTET NIGHTは私がうたプリの中で一番好きなグループである)
KAT-TUN 。
私にとって、ジャニーズでは異色のワイルドな…正直、怖いというイメージが強かった。なにせ、私はこの手のタイプ(イメージ)の人達が恐ろしく苦手だった。
かつてSMAP、関ジャニ∞を中心にジャニーズアイドルの姿を見てはきたが、記憶の認識の中に彼らの姿は驚くほど見当たらなかった。苦手なタイプは避けがちな人生を歩んできたが、正直ここまでとは…と、過去の自分にもったいないと叱責してやりたい気持ちでいっぱいだ。
当時、KAT-TUNはちょうどライブツアー『IGNITE』中で、私のもとには「ラップバトルがとにかくすごい」という情報が入ってきていたりもしていた。
長らくジャニーズ関連から遠ざかっていたが興味心はすくすくと育っていく。
「KAT-TUN」ってどのようなグループなのだろうかと。
そんなわけで、まったくの無知の状態でグループについて知ろうとする中、声優オタクの友人__仮称:Pちゃんに「『MOON』という曲を聞いてほしい!」とお勧めしてもらった。
その勧めを受け、私はさっそく知人にお願いし、少年倶楽部プレミアムで披露したというバージョンのものを聞かせてもらった。
私にとって、これが初めてこの目で見るKAT-TUNの歌、パフォーマンスだった。
これが全てを狂わせるとも知らず。
衝撃だった。
事前に歌詞を調べて何となく雰囲気とか好きだな、くらいの気持ちで臨んだが、正直生きた心地がしないほどの衝撃だった。
言葉をなぞるだけでは呑み込めなかった、和ロックなメロディと歌詞の親和性。そして圧倒的な歌声を披露する彼らに目を惹かれてやまなかった。
私は過去に知人から借りて持ち合わせていたアルバム音源、『Queen of Pirates』を憑りつかれた様に聞き出した。
『T∀BOO』を筆頭に、その世界観、圧倒的歌唱力に落ちていくのに時間はかからなかった。
いったいどんな人たちが歌っているんだろうか。
当初の認識、正直顔と名前が一致するのは亀梨くん。
顔はわかるが名前が出てこない(通称:甘栗期と現在のビジュアルが全く結びつかず目玉が飛び出た)上田くん。
顔も名前もわからなかった中丸くん。
今の私からすれば、これはもう盛大なフラグにしか見えない。
この後私は、中丸くんのソロ曲、『STEP BY STEP』の氷の結晶のような、水面に映った星のような、圧倒的透明感溢れる歌声に惹かれ、曰く「3か月でFC会員になっていたら笑う」というフラグも綺麗に1ヶ月で回収し、見事に中丸くん強めのKAT-TUNファン、新規ヒヨコhyphenへと変貌を遂げるのだから。
バラエティ番組なども見始め、歌だけでない彼らの魅力にどんどん引き込まれていく中、私は出先で奇跡的に手に取った『KAT-TUN LIVE TOUR 2018 CAST』のBlu-ray完全生産限定盤を衝動的に購入した。
これが9月下旬の出来事で、私生活の事情込みでなかなかDVDを観れないまま10月中旬ごろ。
KAT-TUNについて呟くTwitterアカウントを開設したり、さらに楽曲を聴きこんだり、様々なバラエティ番組を見たり。
十分に鑑賞できる環境は整っているのに、ライブDVDだけは未だに観るに至るに踏ん切りがつけられずにいた。
冒頭の記載通り、私はこれ以上KAT-TUNというグループに踏み込むのが、あまりにも怖くなってしまっていたのだ。
見れば見るほど、知れば知るほど、KAT-TUNが辿ってきた歴史をなぞれはするものの、辿れはしなかった私が、何も知ることのなかった私が踏み込んでもいいものかと。
彼らが何を思って、どんな思いでライブを作り上げているのか。
私の手元にあるのは、『KAT-TUN LIVE TOUR 2018 CAST』。
そして、『KAT-TUN LIVE 2018 UNION』。
客観的に見ても、色々あった__ありすぎたと形容されて然るべきグループだ。
初めは、様々を経て結ばれた、KAT-TUNとhyphenさんの間の強固な絆の間に入れないと極端に考えていた。
実際はそんなことなく、hyphenさんの新規ファンへの暖かい歓迎の姿勢に大変感激したのも事実。
だが私個人が、これ以上彼らを知ることを恐れるようになってしまった。
正直まだまだ知らないことなど星の数ほどあるが、実際にこの目でライブ一つ見る見ないでは大きな違いがあるのではないかと思う。
グループの魅力を最大限知るには、ライブは何よりてっとりばやいと私は考える。その公演ひとつに魅力がぎゅっと凝縮されているだろうから。
彼らをもっと知りたい。
そう思う上で避けては通れない、彼らが抱えた決して軽くはない事実。充電期間という2年の時間。
充電期間の答えが出たUNIONを受け止めるには私の覚悟はあまりにも足りていなかった。
しかし、このままではいつまでたっても観れない。
ちょうどそのタイミングで幸いなことに、Pちゃんが一緒に遊ぼうとお誘いしてくれていたので、一緒に鑑賞してくれないかとお願いしたところ、快く了承をしてくれた。
かくしていよいよ退路を塞ぎUNIONに臨むことになったが、ライブの詳細な感想はまたの機会にしっかり綴っていこうと思う。
結論、圧巻のステージだった。
亀梨くんは、自身の持つ無限の引き出しを惜しみなく開き、ステージの華となる。
上田くんは、グループのイメージを体現する荒々しさで、ステージの炎となる。
中丸くんは、会場のいたるところまでファンを照らし導き、ステージの星となる。
三者三様のアプローチでライブを作り上げるその姿に、終始発狂と号泣を繰り返していた。
そして、終盤で披露した『Ask Yourself』。
充電期間を経たKAT-TUNが出した、答えの歌。
それを見る最中、私はふとジャニーズカウントダウンライブ2017-2018へ想いを馳せる。
その時私は、申し訳ないことにジャニーズにはほとほと関心を抱いていなかった。
KAT-TUNが充電期間に入っていたことすら知らなかった。
声高らかに充電期間終了の合図をあげ歌を披露する彼らの姿を見ても、「よかったね」なんて上滑りな感想しか抱けなかった。
あの日見た彼らの歌が重さを、熱を、意味をもって今還ってきた。
正直な話、あの時私が手に取ったものが『KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR "10Ks!" 』だったなら。生涯ライブDVDを見ることはできなかったかもしれないと言っても大げさではないかもしれない…とも思う。
UNIONを見た今なら、彼らの2年の答えを受け止めた今なら。
過去も今も未来を、全てを受け止めながらやっと一緒に航海の旅に出ることができる気がする。
晴れの海も、雨の海も。
この船は、どんな荒波にも負けず突き進むだろう。
いつの日か、乗船チケットを手にすることができる日を夢見ながら。
その日を待ちわびながら、今日もまっすぐに彼らの勇姿を見上げる。
どうかKAT-TUNとhyphenさんの航海の旅路が、明るく照らされたものでありますように。